2018年3月4日日曜日

ハーフ人狼2 ルールページ

ハーフ人狼2のルールをご紹介します。

【イントロダクション】
とある村がありました。その村には恐ろしい伝承があります。

 かつてこの村には人の姿をした恐ろしい化け物<人狼>がいた。
 村の人々の推理と投票による処刑で、人狼は根絶やしにされた
 ――かと思われた。
 人狼には子どもがおり、その子どもは村の破滅を狙っている。

伝承は真実でした。村には恐るべき人狼の子どもが生き残っていたのです。
村に新たな脅威が迫っています。人狼と人の間から生まれた『ハーフ人狼』を見つけ、村に平和を取り戻しましょう。

【内容物】
・カード合計 23
(ルール3枚/村人10/人狼1/裏切り者1/占い師1/墓堀1/魔術師1/ゴリラ1/死神1/天使1/見習い1/ブランク1枚)

【ゲームの準備】
4人プレイの場合
 村人6/人狼1/占い師1/裏切り者1枚の役職カード使用。9枚の役職カードをよく混ぜ、各プレイヤーに2枚ずつ配ります。余った1枚は裏向きにして『墓地』に置きます。
※『墓地』はテーブルの中央など、各プレイヤーから手の届きやすい場所に設定してください。

5人プレイの場合
 村人8枚/人狼1/占い師1/墓堀1/裏切り者1枚の役職カード使用。12枚の役職カードをよく混ぜ、各プレイヤーに2枚ずつ配ります。余った2枚は裏向きにして『墓地』に置きます。

6人プレイの場合
 村人10/人狼1/占い師1/墓堀1/裏切り者1枚の役職カード使用。14枚の役職カードをよく混ぜ、各プレイヤーに2枚ずつ配ります。余った2枚は裏向きにして『墓地』に置きます。

【ゲームの流れ】
ハーフ人狼は<朝><昼><夕>の3つのフェイズによって進行します。

<朝フェイズ>
各プレイヤーは自分の2枚の役職カードの内容を確認し、好きな方の1枚を選んで右隣のプレイヤーに回します。そして、左側のプレイヤーから回ってきた1枚の役職カードを手札に加えます。この2枚の役職カードがあなたの『両親』を意味しており、その組み合わせによって役職や陣営が決定します。

【役職ルール①】
人狼か裏切り者の役職カードを持っていた場合<人狼陣営>になる。持っていない場合は<村人陣営>である。

【役職ルール②】
占い師か墓堀の役職カードを持っていた場合、朝フェイズにそれぞれの役職能力を実行する。

※注意1:「占い師+人狼」や「墓堀+裏切り者」等の組み合わせ場合、<人狼陣営>の役職能力者となる。つまり、占いや墓掘りの能力は行使するが、人狼陣営が勝つために、人狼が処刑されないように立ち回らなければならない。

※注意2:「占い師+墓堀」の組み合わせの場合、朝のフェイズに実行できる能力は片方の役職のものだけである。仮に「占い師+墓堀」のプレイヤーが「占い師の能力を行使する」と決めた場合、墓掘の能力を行使する際に自分が墓掘だと名乗り出て能力の行使はできない。ただし、<昼フェイズ>において「自分が実は墓掘のカードも持っていたが、占い師の能力を選択したのだ」と告白してもよい。その告白を信用するか、墓掘の役職カードが墓地にあると考えるかは各プレイヤーの自由である。

【役職ルール③】
役職カードが「人狼+裏切り者」の場合、そのプレイヤーは『裏切り人狼』となり<人狼陣営>と<村人陣営>の勝敗条件が逆転する。つまり、裏切り人狼は処刑されることで勝利する。

 自分の役職を確認したら、どちらの役職カードが左隣から回ってきたか分からないようによく混ぜ、自分の前に2枚の役職カードを裏返しにして置きます。すべてのプレイヤーの前に2枚の役職カードが並んだら、全員が見ている状態で役職能力を次の順番で実行します。役職能力を発動するとき、その能力を持つ役職カードを表にしてください。

1)占い師:墓地を除く、全ての役職カードの中から2枚を自由に選び、自分だけが確認する。ただし、同じプレイヤーの役職カードを2枚とも確認することはできない。また、4人プレイ時のみ2枚ではなく1枚のみの確認となる。

2)墓堀:墓地の役職カードを2枚とも確認し(4人プレイ時のみ墓地は1枚)、好きな方の1枚と自分以外のプレイヤーの1枚とを交換する。交換されたプレイヤーは、自分の手元に来たカードを確認できる。

 1人のプレイヤーが占い師と墓堀の2枚の役職カードを持っていた場合、どちらかの役職の能力しか実行できません。この時、プレイヤーは「自分が占い師と墓堀の2枚を持っている」という内容の発言をしてはいけません。仮に占い師の能力を選択したならば、墓堀として誰も名乗り出ないことで墓堀の能力実行がスキップされます。
 役職能力がないにもかかわらず、あると嘘をついて役職能力を実行することはできません。また、役職能力を持つプレイヤーは必ず名乗りでなければなりません。役職能力者が名乗り出ないのは、役職カードが墓地にある場合か、1人のプレイヤーが占い師と墓堀の両方を持っていた場合のみです。
 すべての役職能力が実行し終わったところで、朝のフェイズは終了です。

<昼フェイズ>
 3分間の話し合いの時間です。全プレイヤーで話し合い、誰が人狼なのかを推理してください。
 議論の手掛かりとして、役職能力で見たカードの結果や、各プレイヤーが右のプレイヤーに何を回したかの確認から始めるといいでしょう。ここで各プレイヤーは自由に発言して構いません。嘘をついたほうが自身の陣営に有利と考えるならば、積極的に嘘をつくのが良いでしょう。3分が経過したら、議論の途中でも昼フェイズは終了となります。

<夕フェイズ>
 昼フェイズの話し合いを受けて、人狼だと思われるプレイヤーを全プレイヤーの投票によって決定します。墓地に人狼があると思う場合は墓地に投票をしてください。得票数の最も多いプレイヤーは人狼として処刑され(墓地が選ばれた場合、人狼伝説は迷信だと判断され)、ゲームは終了となります。
 もしも、得票数が同じプレイヤー(墓地)が複数いた場合は決選投票を行います。決選投票とは同票のプレイヤー(墓地)のみを投票対象とした全プレイヤーによる投票のやり直しです。それでも同票の場合、『村は恐慌状態』とみなし、人狼陣営の勝利となります。

【4人プレイの場合の投票について】
4人プレイの場合、裏切り者に投票権はない。これは村人陣営の票数と人狼陣営の票数が同じになってしまうからである。ただし、投票の際に投票しないプレイヤーが裏切り者だと判明すると、人狼陣営が極めて不利になる。そのため、投票の方法は「せーの」という掛け声の後で、全員が同時に投票先に指をさすなど「誰が裏切り者なのかわからない状況で全員が投票できる方法」を推奨する。
※4人プレイ時に裏切り人狼が登場した場合、そのプレイヤーは投票権を持つ。
※裏切り者は決選投票でも投票権を持たない。決選投票は誰が裏切り者なのか分かった状態で行われることになる。

【ゲームの勝敗】
 処刑されたプレイヤーの役職により勝敗が決定します。ハーフ人狼はチーム戦のため、たとえ自分が処刑されていたとしても、自分が所属する陣営の勝利条件が達成されていれば、そのプレイヤーは勝利したことになります。

●処刑されたプレイヤー(墓地)が人狼の役職カードを持っていた
村人陣営の勝利となります。おめでとうございます。村の平和は守られました。

●処刑されたプレイヤー(墓地)が人狼の役職カードを持っていなかった
→人狼陣営の勝利となります。無辜の村人が処刑されてしまいました。残念ながら、この村はもう長くもたないでしょう。

●処刑されたプレイヤーが裏切り人狼だった(人狼+裏切り者の組み合わせだった)
→あなたたちが処刑したのは、人狼の裏切り者ですよ! あなたたちの村が、他の人狼たちに襲われていないのは、裏切り人狼が密かに同族から村を守っていたからです。処刑された裏切り人狼は重責から解放されますが、あなたたちの村は人狼の群れによって凄惨な最期を迎えることになるでしょう。この場合、裏切り人狼のみが勝者となります。
※墓地が投票で選ばれ、墓地の組み合わせが人狼+裏切り者の場合は村人陣営の勝利となります。

●処刑されたプレイヤー(墓地)が人狼の役職カードをもっていなかった。ただし、ゲーム内に裏切り人狼がいた。
→罪もない村人が処刑されたのは残念なことですが、裏切り人狼の処刑は免れました。尊い犠牲により最悪の事態は避けられ、村人陣営の勝利となります。

【ゲームに慣れてきたら】
 ゴリラ、天使、死神、見習い、魔術師は追加の役職カードです。ゲームに慣れてきたら、これらを加えてゲームしてみてください。また、ブランクカードを利用して、前作のハーフ人狼の役職を追加して見たり、自分で考えたオリジナルの役職を追加するのも良いでしょう。

【役職サマリ】
村人:何の能力も持たない普通の村人です。会話と推理で人狼を見つけ出してください。

占い師:朝フェイズに2人の役職カードをそれぞれ1枚ずつ見ることができます。その情報が議論の手がかりになるでしょう。(4人プレイ時のみ1人の役職カードを1枚見る)

墓堀:朝フェイズに墓地のすべてのカードを確認し、好きな1枚と誰かの1枚を交換できます。

人狼:このカードを持っているあなたは人狼陣営です。自分が処刑されなければあなたの勝利です。

裏切り者:このカードを持っているあなたは人狼陣営です。たとえ自分が処刑されても、人狼が処刑されなければあなたの勝利です。積極的に嘘をつき、場を乱し、村を混乱させ、人狼を守りましょう。

ゴリラ:このカードを持ったプレイヤーは議論中に「うほうほ」としか話すことができません。ただし、ジェスチャーで意思を伝えることは可能です。

天使:このカードを持ったプレイヤーが役職カードを表にしていない場合(つまり、占い師でも墓掘りでもない場合)、あなたは議論中に天使の役職カードを表にすることができます。ただし、このカードを表にするとあなたは投票権を失います。

死神:死神がプレイヤーの手札にある場合、死神はなんの能力も持ちません。ただし、死神のカードが墓地にある場合、このゲームは「村人陣営vs人狼陣営」の戦いではなく、「生者陣営vs死者陣営」の戦いとなります。

魔術師:このカードを持ったプレイヤー自身には何の効果もありません。占い師か墓堀が役職能力で、誰かが所持している(あるいは墓地にある)魔術師のカードを見てしまった場合、その占い師か墓堀のプレイヤーは人狼陣営となります。

見習い:<朝フェイズ>に占い師か墓掘りが名乗り出なかった場合、見習いのカードを表にして、自分が名乗り出なかった役職の能力を使うことができます。ただし、占い師と墓掘りの両方の能力者が名乗り出なかったのならば、使える能力は占い師の能力のみです。 

【ゲームの流れサマリ】
①準備
 各プレイヤーに2枚ずつカードを配る。墓地にカードを2枚おく。
 (4人プレイの場合、墓地は1枚)
②朝フェイズ
 各プレイヤーは1枚のカードを右隣プレイヤーに渡す。その後、各プレイヤーは自分の2枚のカードをよく混ぜ、自分の前に伏せて置く。占い師のプレイヤーは墓地を除く任意のカード2枚を選び(4人プレイ時は1枚)、自分だけ内容を確認する。ただし、1人のプレイヤーのカードを2枚とも確認することはできない。
 墓堀のプレイヤーは墓地の2枚(4人プレイ時は1枚)の内容を自分だけ確認し、好きな方のカードを、任意のプレイヤーの1枚のカードと交換する。交換されたプレイヤーは、墓地からやってきたカードを確認する。

③昼フェイズ
 3分間の議論。ここからは自分の陣営が有利になるように自由に嘘をついてもよい。

④夕フェイズ
 人狼だと思われるプレイヤー(墓場)に投票を行う。得票数の多いプレイヤー(墓場)が処刑される。

⑤勝敗判定
 人狼が処刑されれば村人陣営の勝利。そうでなければ人狼陣営の勝利。例外として、処刑されたのが裏切り人狼だった場合、裏切り人狼の一人勝ちなる。

【追加ルール 6人用レギュレーション】
「魔術師の夜」
●使用カード
村人:9
占い師:1
墓掘り:1
人狼:1
裏切り者:1
魔術師:1

●魔術師の説明
魔術師は夜な夜な恐ろしい魔術の実験をする危険な人物です。その魔術実験を見てしまった人は……

魔術師は、自身は村人陣営ですが、占い師か墓掘りが魔術師のカードを見てしまうと、そのプレイヤーは裏切り者扱いとなり、人狼陣営に変わります。
※魔術師のカードを持っているだけでは人狼陣営にはなりません。
※魔術師によって人狼陣営に変わったプレイヤーは、投票権を持ちません。これは人狼陣営と村人陣営の票数が同数になってしまう可能性があるためです。

●具体例
(1)占い師であるプレイヤーAは、他プレイヤーのカードを確認しました。すると、そのカードは魔術師でした。プレイヤーAの手札の組み合わせは【占い師+村人】で村人陣営でしたが、魔術師のカードを見たことでプレイヤーAは裏切り者扱いとなり、人狼陣営となります。

(2)占い師であるプレイヤーAは、占いの時に墓地のカードを確認しました。すると、そのカードは魔術師でした。この場合も、プレイヤーAは人狼陣営となります。

(3)墓掘りでありプレイヤーBが墓地の2枚を確認した時、どちらかが魔術師でした。プレイヤーBの手札の組み合わせは【墓掘り+村人】で村人陣営でしたが、魔術師のカードを見たことでプレイヤーBは裏切り者扱いとなり、人狼陣営となります。さらに、魔術師のカードをプレイヤーCに渡しました。プレイヤーCは魔術師のカードを確認しましたが、能力で見たわけではないのでプレイヤーCは人狼陣営に変わりません

(4)墓掘りであるプレイヤーBが、墓地のカードと他のプレイヤーのカードを交換しました。この時、他のプレイヤーの手札から墓地へと移動したカードが魔術師でした。プレイヤーBは、他のプレイヤーの何のカードが墓地のカードと交換されたか知りません。そのため、プレイヤーBが人狼陣営になることはありません。


「死者との戦い」
●使用カード
村人:9
占い師:1
墓掘り:1
人狼:1
裏切り者:1
死神:1

●死神の説明
死神は死を司るおそるべき神です。その力は強大で、死神に立ち向かうには全ての命ある者たちが協力する必要があります。たとえそれが恐ろしい人狼だったとしても。

死神のカードがプレイヤーの手にあった場合、死神はなんの能力も持ちません。しかし、墓地にあった場合、そのゲームは「人狼陣営vs村人陣営」ではなくなり、「死者陣営vs生者陣営」となります。これに伴い、各プレイヤーの陣営の割り振りや勝利条件が変更されます。

●陣営の割り振り
【死神陣営】墓掘り/裏切り者
【生者陣営】上記以外

●勝利条件
【死神陣営】投票で墓地が選ばれないこと。
【生者陣営】投票で墓地を選ぶこと。
人狼が処刑されるかどうか、裏切り人狼がいるかどうか、などは全て無視されます。
なお、決選投票でも同票となり村が恐慌状態となった場合、死者陣営の勝利となります。

●注意点
最初から墓地に死神のカードがあった場合、墓掘りは死神のカードを他のプレイヤーに渡すことはできません。

「その他の特殊カード」
天使/見習いは6人プレイ時に村人のカードと交換して使用することができます。
ゴリラは4〜6人プレイ時に村人のカードと交換して使用することができます。







2018年1月14日日曜日

新版ドラフト戦国大名のノンオブラートレビューを公開!

以前にもレビューをいただいたBoard game every day 様に、新版ドラフト戦国大名のノンオブラートレビューを頂きました。
ノンオブラートレビューとは、試作・製品版のボードゲームを送り、実際にプレイした感想をいただけるというものです。
http://bged.info/nonobrato-reviews

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BGED管理人 ノンオブラートレビュー

ルールライティングとコンポーネント

ルールブック、コンポーネント含めて非常に遊びやすいものとなっていると思います。カード類も区別がつき、スムーズに遊ぶことができました。何点か気になった部分を指摘させていただきます。

それぞれのプレイヤーがどこから始まるのか、ルールブックでのみ指定されているので探すのに少し手間取りました。戦国時の地図などに親しんでいるのならすぐに見つけられるとは思いますが、不勉強な自分にはどこに配置すればいいのか混乱しました。マップ、プレイヤーマットに本国・場所を明記すると良いと感じました。

攻撃修正値、防御修正値は基本的にそれぞれのプレイヤーに武将、設備として固定値化されますので、ボードなどにそれぞれのトラックがあると、対戦相手がどれくらいの戦力を有しているのか判断し易いと感じました。

いくつかのカード効果が、地域1つを指定するのか、対象地域全てを指定するのかが曖昧なものがありました。

感想詳細


ウォーゲームのプレイ感を、ドラフトやカード効果にゲームルールを集約できているのが非常に印象的です。例外処理や枝葉が少なく、シンプルなゲームに組み上げていることができていると思います。

実際、基本的なルールは簡単ながら、ゲーム展開が読めず、やり応えのあるゲームとなっていました。

一緒に遊んだ人も、全体的にカードを選び、出すだけなので迷うこともなく遊べていると感じました。

各ラウンドで出されるイベントによっても様々な展開が出ますし、繰り返し楽しめるものになっていると思います。

基本的にプレイアビリティ、ルールライティングの変更により、ぐっと遊びやすいものになっています。

それとは別に、前回から今回までで、私自身様々なゲームを遊んだことにより、前回気づかなかった点をいくつか指摘させていただこうかと思います。本作は既に完成された作品であり、このままでも十分に高いクオリティの作品に仕上がっていると思います。あくまで参考程度に受け取っていただけたらなと思います。

まず、4人プレイでのゲームですが、中央の土地のプレイヤーが非常に不利かなと感じました。特に、それぞれのプレイヤーが拡大を繰り返す12ラウンド目で出遅れやすく、後の展開にも響きやすいかなと思いました。本作では土地の数が収入に響くため、ここでつまずくと少々つらいかなと。

これは、4人という人数も問題であるように感じました。どうしても真ん中で、他よりも接地面積が多いので、対処が難しい印象が受けます。3人だと、それぞれがそれぞれにインタラクションがあるため問題ないのですが、4人だとこのバランス取りが非常に難しく思えます。

本作は4ラウンドありますが、4ラウンド目が蛇足に感じました。3ラウンド目までは小競り合いがあるのですが、その一方で武将、設備の構築が完了し、4ラウンド目は攻めるのにリスクが高すぎる状況になりがちでした。

手数の関係で、3ラウンド目までは防御の薄いところがあり、そこを攻める、ということができるのですが、4ラウンド目でそこに手が回ってしまうイメージです。構築ができてしまうと、本作は防御側が圧倒的に有利ですので、4ラウンド目は無くても問題ないのかなと感じました。

カード、イベントがゲーム展開に対応できていないようにも感じました。というのも、ラウンドが進むにつれて、ゲーム内の環境は変わってきます。最初はなにもない状況から、土地が増え、合戦が発生していく、というように。これを仮に時代と称します。しかし、そういった時代の変化があっても、カードセットは変わらないため、最終局面に至り、カードセットがゲーム開始時と変わらないため、それぞれのカードがゲームに影響を及ぼしづらいというのがあるように思えました。

例えば他のゲーム、世界の七不思議、スルージエイジス、ブラッドレイジなどでは、まさに時代ごとにカードセットを変え、カードセットがどんどん強力になっていく、または、その系統が変化していくという処置が取られています。

世界の七不思議を例に取ると、最初の時代は基本的な一次産業の施設を建設するカードが割り当てられ、次の時代には二次産業や宗教施設、最後の時代では最終的な特殊配点カードや高得点高コスト建造物施設。といった具合です。

イベントもそうで、ゲームで利用されるカードが全体の半分を超える程度で、使われないカードがいくつかあります。これではゲームごとに展開に変化が「出過ぎる」ように感じられました。

総じて、ルールがゲーム展開をコントロール仕切れない印象を受けました。これはプレイヤーがゲームを作れるという点では良いのですが、提供できるゲームの「楽しさ」にはばらつきが出るという事でもあります。これによって、先述した4人プレイでの不利や4ラウンド目の蛇足感が生まれているようにも感じられました。

戦略ゲームとして、シンプルに、かつ満足度の高い作品だけに、そういった点が気になってしまいました。次回作も期待しております。今後の作品作りに活かせてもらえたらと思います。サービスのご利用、ありがとうございました。

サイコロ堂店主 ノンオブラートレビュー 

                                       コンポーネント評価      


まず、前回のバージョンと比べて、格段に可読性、視認性に優れたコンポーネントに仕上がっていると感じました。
各カードは種類ごとに裏面の色が違うため、セットアップ時に苦労せずカードを分けられます。欲を言えば、各カードの表面の背景のテイストも変えたほうが、さらに視認性がよくなったかと思います。(実際に遊んだ際に、マップ脇に置いてある功績カードと自分のプレイしているカードの区別が付きづらく、混乱することが少しありました。)

マニュアルの可読性は数段上がったかと思います。用語の整理もされていて、我々以外のテストプレイヤーが読んだ際も、楽に読めたとの感想が出ておりました。
ボードもデザイン性が上がり、見やすさが増した印象です。ラウンドを示すアイコンにドラフト方向が描かれているのはとても親切だと感じました。
あえて改良点を指摘するとすれば、中央のボードにラウンドの処理が書かれている方が、全員が参照しやすくてよいかな、と思いました。
(個人ボードに詳細がかかれているので好みではあると思いますが)「各個人で参照してね」という個人ボードに書く方法より、「全員で一斉に処理することは全員が見るボードに描く」という方式のほうが、処理時に飛ばしてしまうことや、間違いが減るのではという意見です。初めて遊ぶ際にはルールを読んだ人がラウンド管理を担当することが多いですが、その人が2ラウンド目のイベントフェイズを飛ばしたまま次のフェイズに入りプレイ、途中で気がつくも巻き戻しが困難になったケースがありました。合戦のラウンド表記のように、(文字ではなくても)メインボードにアイコンデザインなどで書かれていれば、誰かが気がつく可能性が高いと思います。

プレイしての評価


行軍や徴兵などがアイコン化されたことにより、遊びやすさが格段にましています。見かけ上は小さな変化なのですが、この工夫がなされたことで、格段に遊びやすさが増しました。ここからさらに工夫するとすれば、カードの種別によってレイアウトを変更すると、さらに遊びやすくなるかと思われます。具体的には、現状だとドラフト用カード、功績カード、戦術カードなどが全て統一されたレイアウトのため、パッと見た時の視認性は低い状態です。これを、背景の色を変更する、カードタイトルの部分の帯デザイン(本作だと白抜きの帯)を変更する、右上のアイコンを角丸の■以外のものにするなど、です。

また、遊んでみて気がついたことではあるのですが、カードテキストが簡略化されているせいで、前バージョンでははっきりしていた効果が、わかり辛くなってしまったカードがいくつかありました。
例えば「敵方勢力の調略」ですが、前バージョンだと「自領地に隣接する城の存在しない領地1つに対して〜」となっており、どこか1つの領地を対象にするのが明確でしたが、最新バージョンのテキストは「自領地に隣接した城の存在しない領地に対して〜」に変更されています。結果、該当する領地全てを対象にしてもよいのでは、という誤読が発生してしまいました。簡潔にかかれていることは、可読性やプレイアビリティをあげるために重要な要素ですが、この部分は変更しないほうが良かったかもしれません。同様のカードが数種類ありました。
さらに武将カードの『本願寺顕如』の登場効果テキストで「1つの領地にいる〜」と指定しているだけに、混乱度合いが増してしまう結果になりました。「領地すべて」「領地1つ」など、対象を指定する言い方を統一するのが、一番確実な方法かと思います。よくある言い方だと
「『任意の●●1つ』(=好きな●●を1つ選んで)に対して▲▲『できるorしてもよい』(するかしないかはプレイヤーの意思)」や「『●●全て』に対して▲▲しなければ『ならないorする』(拒否することはできない)」があります。カードテキストの文法を統一することで、よりわかりやすく、すぐに効果を把握できるテキストにすることが可能になります。

テストプレイヤーの評価・雑感


ゲーム本体の面白さは前回のレビューで既に述べているので、今回は違う部分についての言及でした。したがって今回は遊んでいて気になった部分の記述が多く感じたかもしれません、しかし、プレイ感や見やすさは、前バージョンとくらべて飛躍的に向上しています。

次回作や、もしあれば版を重ねるときなどは、参考にして頂けると幸いです。

2017年11月13日月曜日

【ゲームマーケット2017秋】新版『ドラフト戦国大名』予約受付中!

遊志堂では新版『ドラフト戦国大名』の取り置き予約を受け付けております。会場へはあまり数が持ち込めませんので、確実にご入手されたい方はお早めにご予約ください。
先着順・お一人様各2個まで
予約締切11月27日/24:00
価格:4000円
下記の必要事項をご記入の上、
yushido.info@gmail.com
までメールでお申し込みください。
■必要事項
【商品名と個数】
【お名前※ニックネームで構いません】
【メールアドレス】
イベント当日は14:00までに当ブース【F039】までお越し頂ください。
※14:00までにいらっしゃらない場合は、取り置きキャンセルとさせていただきます。
★重要
今回のゲームマーケットは12/2(土)と12/3(日)の二日開催ですが、遊志堂が参加するのは12/2(土)のみとなりますのでご注意ください。
受付完了のメールが届いた時点でご予約完了となります。
お申し込みお待ちしております!
ゲームの紹介はこちらです↓
また、当日はお手軽正体隠匿ゲーム『ハーフ人狼』の頒布もしております。よろしければ、こちらもぜひ、よろしくお願いいたします。

2017年4月16日日曜日

ゲームマーケット2017春に出展いたします!

遊志堂の熊谷です。

遊志堂はゲームマーケット2017春に出展いたします。
出展場所はI15となります。
また、頒布予定のゲームは下記になります。

・ドラフト戦国大名追加大名セット
・ハーフ人狼

各ゲームの説明は、ゲームマーケット公式ブログをご覧ください。

ドラフト戦国大名の紹介①
ドラフト戦国大名の紹介②
ハーフ人狼の紹介

試遊スペースもありますので、ぜひ遊志堂のブースに遊びに来てください!

2017年3月25日土曜日

ドラフト戦国大名 ヴァリアントルール『山脈越え行軍』のご紹介

遊志堂の志瑞です。今回は『ドラフト戦国大名』のヴァリアントルール『山脈越え行軍』のルールをご紹介します。
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★山脈越え行軍のルール
・佐々成正が行った山脈越えの行軍を再現した選択ルールです。このルールは、ある程度ゲームに慣れてきてから導入することを推奨します。

行動フェイズに【行軍】のアクションを選択した際、そのターンに使用できる行軍力をすべて消費して、兵力1個のみを山脈を越えて行軍させることができます。山脈越え行軍をした場合、ほかの兵力を行軍させることは一切できません。
※山脈越え行軍によって合戦が発生した場合、山脈を越えて撤退することはできません。撤退可能な自領地が隣接していない場合は通常のルール通り全滅します。
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2017春ゲームマーケット頒布 ハーフ人狼ルールページ

2017年5月22日 追記

2017春のゲームマーケットの頒布にあわせて、2016秋のゲームマーケットで頒布したハーフ人狼のルールの一部を変更いたしました。

新しいルールはこちらのpdfの内容となります。
(主に追加カードのルールが整備されています)

pdfが開けない方は、このページにもルールを記載いたしました。


2016年12月13日火曜日

『ハーフ人狼』FAQ(12月24日追記)

◆『ハーフ人狼』FAQ
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Q:狂人狼がいた場合、狂人狼以外が処刑されれば村人陣営の勝利ですか? それとも、墓場が選ばれなければ村人陣営の勝利にはなりませんか?
A:墓場が選ばれなくても、狂人狼以外のプレイヤーが投票で選ばれれば村人陣営の勝利となります。

Q:四人プレイ以外でも、狂人は投票権を持たないのですか?
A:四人プレイ時と、魔術師によって狂人になったプレイヤー以外は、狂人でも投票権を持ちます。狂人に投票権を与えないルールがあるのは、人狼陣営の持つ票数が村人陣営以上になってしまうことを防ぐためです。
Q:四人プレイ時に狂人狼がいた場合、狂人狼に投票権はありますか?
A:狂人狼は狂人ではないため、投票権を持ちます。

Q:投票権のないプレイヤーがいる場合、どのように投票をすればいいですか。
A:誰が投票権を持っていないか分からない状況で、全員が投票を終わらなければいけません。そのため投票は「せーの」の掛け声で一斉に指差しで投票する方法を推奨します。
Q:投票権がないプレイヤーは、決選投票でも投票権がありませんか?
A:ありません。
Q:決選投票でも同票になった場合、終末論者や狂人狼や罪人の勝敗はどうなりますか? A:決選投票で同票になった場合、狂人狼は勝利します。終末論者、罪人は敗北します。 -------------------------------------------------------